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今、地球は熱に冒されて呼吸が弱った状態だ。昼は太陽からの光と熱をたっぷりと取り込んで活動の源とし、夜になると一日の疲れを癒すように余った熱エネルギーを赤外線として宇宙に放出して休息を取る。このバランスが崩れた姿が「地球温暖化」である。その遠因は、我々の大量生産・大量消費への称賛と渇望にある。
著者らはさらに踏み込んで、その原因を20世紀型の産業デザインの欠陥に求めている。その欠陥とは、(1)毎年何億トンもの有毒な物質を大気中・水中・地中を問わず放出し、(2)将来何世代にもわたって影響を与えるであろう危険な物質も生産し続け、(3)膨大な量のゴミを生み出し、(4)資源となる貴重な物質も地中に埋めて回収せず、(5)被害をなるべく遅らせるために何千もの複雑な規制を設け、(6)労働力の省力化=生産力の向上と考え、(7)天然資源を採掘・伐採して利用し、利用後は燃やしたり埋め立てたりすることで繁栄を築いてきたと指摘する。 本来、地球上で許される人間の生産活動は、自然の循環という「動的環境」から資源を得て、この動的環境に廃物を返すことだけである。にもかかわらず、この石油文明はいずれ科学技術が解決するものとして、捨て場のないままに資源を利用してきた。しかし、捨て場がない以上、環境汚染というエントロピーの限界を超えることはできない。 これに対し、著者らは「自然界にはゴミは存在しない」という事実から、ゴミの概念そのものを否定する。問題はものづくりのデザインコンセプトにあるというのだ。つまり、「ゴミの減量」という発想ではなく、デザインによってゴミそのものをなくすことができると主張する。この視点に立ったものづくりは、企業の目的である「利潤の追求」と「環境の保護」は対立・矛盾しないばかりか、利益を生むというのである。まさに逆転の発想であり、パラダイムの転換である。読者は、この本から人類が直面する様々な問題を解決する答えを見いだすことができるだろう。
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